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2025/09/20

価格弾力性と一言で言うものの

価格弾力性」という言葉、中小企業の支援現場でも時折、耳にしたり、自分でも発したりします。

需要の価格弾力性

正確には、「需要の価格弾力性」と言いますね。
ざっと説明すると「価格が変化したとき、需要がどのくらい変化するか」というのを数字で表したものということです。

一般的には、「値上げしたらどのくらい需要が減るか」という場合に使うことが多いですね。
昨今、いろいろなものが値上げされていますが、その結果として需要が減ってしまうというのは理解しやすいです。

たとえば、たばこ税が増やされるとたばこの値段が上がります。そうすると、「健康にもあまり良くないし、たばこを止めるか」という人が出てきたり、「たばこの本数を頑張って減らそう」と思う人が出てきますね。良いことです(笑)。

価格弾力性が高い・低い

価格弾力性が高いというのは、値段が上がると需要が大きく減るという意味になります。
逆に低いのであれば、値段が上がっても需要はあまり変わらないという意味です。

企業経営ではどちらが良いかと言えば、低い方が良いですね。

そのために、企業はブランドを強くしたり、代替品に乗り換えられないように差別化したりするわけです。

価格弾力性が低い商品、サービスを作る

これが難しいわけです。弊社は経営コンサルティングサービスと文具の企画販売を事業としています。
が、経営コンサルティングサービスは競合も多数いますし、文具のほうも同じ状況です。

ただ、経営コンサルティングサービスの方は目に見えないサービスではあるので、価格弾力性については難しい感じになります。
一方、文具の方は物理的に見えるものですので、代替品の課題をうまく超えれば、価格弾力性は低くなります。
ただし、競合が真似してくる可能性はあります。

価格弾力性が低いと、価格を下げてもあまり需要が変わらない(上げても変わらない)可能性があるので、あまり値下げ効果はないわけです。
かといって、大幅に上げれば、いくら弾力性が低いと言っても、需要が下がる可能性はあります。

この辺りを見極めながら、価格決定をする必要がありますね。

事例:ビジネス向け贈答菓子の値上げ

ある企業さんの相談で、値上げをしても大丈夫かというものがありました。
対象はビジネス向けの贈答用菓子で、経営者は「値上げすると需要が減退してしまう」ということを恐れていました。

が、2,500円が2,800円になっても恐らくこうした商品は価格弾力性が低いので、需要は減らないと私は考えました。
実際にはもっと上げても大丈夫とお話ししたのですが、経営者はちょっとひよってしまい、あまり引き上げませんでした。

後日、訪問してみると「もっと上げておけば良かった」という話でした。
価格弾力性を数字で予想することはなかなか難しいわけですが、商品の種類などを考えたとき、弾力性が高いか低いか考えれば、良い判断をできる可能性が高まります。

なお、値上げしてみて、どのくらい需要が減るかを考えて売上に影響するのはどのくらいかをきちんと見て、需要の目標値を決めておきましょう。

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