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2024/12/07

商標権の行使は両刃の剣

先日、明治がチョコレート菓子である「きのこの山」の立体商標権を行使したとのニュースを見た。

商標権の行使は正当

この商標権の行使は正当だと私は思う。
ニュースでは二つの商標兼について取り上げられていた。

ひとつは、きのこの山を形取ったワイヤレスイヤホンのコピー品である。
中国から輸入されている物で、大きさなどはいい加減だが、明らかに「きのこの山」と書いてあり、これはアウトである。

もうひとつは、名称はチョコきのこという名前らしいが、形状がほぼ同じというチョコレート菓子である。
これの方はよくこれまで放置されてきたなと正直思った。

商標権としての行使は正当だと感じられる。

商標権の行使で反発された例

私の周りの話で恐縮だが、商標権を行使したことでユーザーの反発を受けた例もある。

ある文具メーカーが商標権を設定していた名称(具体的名称は避けるが、一般語を省略した言葉で、ユーザーは普通に使っている言葉)に形容詞をつけて商品名としたところ、その文具メーカーに「販売の差し止め」と「製品の回収」を要求されたらしい。

ユーザー側からすると、その名称はごく普通に使っており、商標権が設定されていたこと自体、あまり認知されていなかった。
ホチキスとは違うのである。

こうしたケースは時々あるらしいが、結果としてその商標を持っている文具メーカーには「嫌なイメージ」が付いた。

商標権を意識しない行為

また、怖いのは、特に自身をクリエイターと呼ぶ個人で多いのだが、商標権や意匠権などの権利を意識していない行為をするケースである。
著作権なども同様である。

「数が売れないし、訴えられても大したことない」

と考えている例もあるらしく、それは法律を無視した行為である。「万引きなんて大した窃盗じゃない」と言っているのと同じである。
商標権などを持っている人からすれば、迷惑な話であり、権利を行使したくなる。

一方で、権利行使すると上述のような反発が起こることもあり、両刃の剣なのである。

 

だんだんと、商標権などの権利は大事なんだという意識が日本国内には醸成されていると思う。中国や昔の日本のような「猿真似」は許されないということは常識になっているだろう。一方、それをよく思わない勢力も一定数いて、それをSNSで振りかざし、正義を守っているような輩もいる。法的には、権利を守るという行為は正しいのだが、本当に難しい。

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