久しぶりに、中小企業白書を読む(9):生産性
労働生産性がまず論じられているのだが、論じるまでもない。
中小零細企業の労働生産性は2003年から横ばいで全く上がっていないのだから。
中小企業の労働分配率は高水準
中小零細企業の労働分配率は8割から9割である。つまり、付加価値のほとんどは人件費ということになる。
労働分配率を下げるためには、生産性を向上しなければならない(人件費を削ることはほぼ無理だろう)。
しかし、生産性はマクロで上がっていないから、労働分配率も下がらない。
むしろ、最低賃金が引き上げられる方向だから、中小零細企業での労働分配率はさらに上がる可能性がある。
これは大問題だろう。
ミクロで生産性を上げることは可能か
もちろん、これは企業ごとに違うだろう。事務作業をエクセルなどに頼っているところは、労働生産性を引き上げられる可能性はある。
が、そのためにはシステム投資が必要だったりするので、なかなか難しい面がある。
製造業なら自動化できる設備投資を進めれば、労働生産性を引き上げられる可能性、そして労働分配率を引き下げられる可能性がある。
が、こちらも投資が必要なので、なかなか難しい。
ただ、こうしたことを見越して「補助金」を政府はつけているわけだろう。
が、不正利用したり、意図の違う使い方をしたりするケースがあり、本当に必要なところに届いていない気がしてならない。
次は、地域の包括的成長という節を読む。
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