久しぶりに、中小企業白書を読む(5):カーボンニュートラルの話
カーボンニュートラルの話を中心にして、GXにどの程度、中小企業が取り組んでいるのかということが論じられるのか。
カーボンニュートラルの優先度
自社の売上や利益、従業員の生活の方が優先度が高いのではないかと仮説を私は持っているが、それでもなお、事業的にカーボンニュートラルを無視できない業種というのはあろう。実際、白書の中に取り上げられている、東京商工リサーチの情報を見ると年々、優先順位が上がっているように見える。
だが、まだまだ「理解はしているが具体的行動には至っていない」というのが実態だろう。私の肌感覚でもそうだ。まずは、自社がどのくらいカーボン、つまりCO2を出しているのかを知ることが大事なわけだが、せいぜい5~6%程度の中小企業だけが把握している状況のようだ。大手企業のサプライチェーンに入っている中小企業の場合は、その圧力が強いだろう。
その証左として年々、取引先からの協力要請は高まっているとの調査結果もあった。
取り組み目的は、取引の維持
その協力要請を受けて対応しようとしている理由は、
- ブランド価値の向上
- 既存取引先との関係維持
- 生産性の向上
などになっている。「環境保全の必要性」というアンケート項目がないのは遺憾である。
続いて、グリーン分野への投資についての記述があるが、これはまた今度。
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