久しぶりに、中小企業白書を読む(7):価格転嫁力など
第一部の第三章に入る。
中小企業の実態について書かれている章である。
価格転嫁力という言葉初めて聞いた
恥ずかしながら、価格転嫁力という言葉を初めて聞いた。当然だが、この力は大企業が強く、中小企業は弱そう。データにもそれが見て取れるらしい。結果として、中小企業の付加価値額が下がり、これが従業員の待遇改善にも繋がらないということのようだ。
価格の転嫁は、大きく3つあるようだ。ひとつは、原材料費の価格高騰の転嫁、ふたつめはエネルギー価格の上昇の転嫁、みっつめは給与上昇の転嫁。
原材料価格は大本の要因を考えると他の2つから来ているようにも思う。が、ものが見えるのでわかりやすい。
一方、エネルギー価格の上昇は引き続き、上がっている部分もあるが、落ち着いてきたところもあるので、今後は転嫁しにくそう。
最後の給与の上昇はなかなか見えにくいので、難しい面がありそう。
ただ、今後、この給与水準の引き上げが続かないと、日本経済は本当に苦しくなっていく気がする。
安いものが正義という時代は、もうちょっと終わりにしないと。消費者側の意識改革も求められるな。
ということで、賃金は?
最低賃金が政策的に引き上げられているのは周知の通り。
ただ、給与額の推移を見ると、2000年台に入ってから少しずつ引き下がり、その後、横ばい、最近、ちょっとだけ上がってきたかと思ったら下がるという感じ。右肩上がりではない。
業種別だと、大企業では飲食サービス、小売などが低下傾向にあるように見える。一方、中小企業だと2009年にガクッと全業種で下がった後、ずっと横ばいになっていそう。その中でも飲食サービスは低い水準。テレビで外国人が「日本はラーメンが安い!」と言っているのは、これが原因かもしれないねぇ。
賃上げについてはまた今度。
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