新事業・多角化】農園がカフェとワイナリーの運営を始めた
日経MJに掲載されていた記事を拝見した。事業再構築補助金を利用したとのことらしい。
この新事業・多角化のポイント
- 自社の資源を積極的に活用
- いわゆる下流への多角化
- 顧客ターゲットはあまり変化無し
自社の資源を積極的に活用している
この農園がカフェとワイナリーを始めたのは、自社農園でフルーツを作っている点が大きいだろう。
いちご、ぶどう、もも等を中心にして、フルーツ狩りをさせることで収益を上げていたようだ。
が、コロナの影響で観光客が来なくなり、フルーツ狩りは難しくなったのだろう。1割程度まで観光客が減ったとのこと。
しかし、フルーツは育つ。
いわゆる下流への多角化
フルーツを使う、売るにはどうすればいいかと考えただろう。その結果が、加工品にすることだったらしい。日持ちを狙った。
いわゆる下流への多角化である。
ワイナリー、カフェの話はその中から出てきたものと想像される。それらをどこで売るか、他にどんな加工方法があるか。そう考えたのではないか。スイーツ等の加工品を考えれば、売る場所が必要になる。それをカフェに求めたということか。
卸すという選択肢もあろう。近くに道の駅もあるそうだ。
顧客ターゲットはあまり変化無し
ここまでの話を読んでくると、一つ気づく。
「顧客ターゲットには変化があまりないな」
と。
基本、観光客を相手にすることになる。とすると、卸の部分をもっと拡大しておかないと、コロナのような同じリスクが発生して、観光客が来ないという事態が起こると、多角化のリスク分散の意味が無くなってしまう。
まとめ:顧客をずらす必要性がありそう
多角化とはいっているが、非関連多角化ではない。どちらかというと、既存顧客層に新しい商品を提供するという形に近い。
失敗リスクは少ない方法ではあるが、コロナによる観光客減少から学んだものとしては少々弱い気がする。
当方が考えるに、今後はこの顧客部分を少しずらせないか、考えていくのがこの新事業をさらに発展させるネタになるのではないかと。
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