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2023/05/06

新事業】テナントに依存する百貨店モデルの限界と新業態

コロナの影響だけでなく、テナントに依存する百貨店モデルは限界を迎えていることは昨今の百貨店の衰退から見て明らかのように思う。
一方で、同じモデルをインターネット上に展開した楽天市場のような業態は現状、まだ衰退しているとは言い難い。
個人的には限界は遠くに見えてきていて、それがかなりのスピードでこちらに到達するのではないかと懸念もしているが。

棚貸しモデルのポイント

テナント型の百貨店モデルを棚貸しモデルと呼ぶとすると、そのポイントは次の点だろう。

  • 月額定額で棚をいかに効率よく貸すか(空棚率を下げるか)
  • 月額定額以外の収益モデルをどう作るか(一般的には販売手数料、システム利用料などを取る)
  • ターゲット客をどう設定して、それらの人にどうアプローチするか

同じモデルでも業態を作れる

以前から「棚貸し」のビジネスモデルというのは存在する。
たとえば、「クリエイター」と呼ばれる人たちに棚を貸して(月額定額)、そのクリエイターが作った作品を販売するモデルである。
雑貨店の一角を使って、こうしたモデルを進めていた時代があった。
百貨店のテナントビジネスと同じビジネスモデルだが、業態としては新しかった。

が、これは今、クリエイターたちがBASEやSTORES、minneなどに移り住んだことで消滅して行っている。

最近は同じモデルで本屋が出てきている

同じ棚貸しのモデルだが、最近は「シェア型書店」という名で、棚貸し本屋が出てきている。

個人に棚を貸して(月額定額)、その個人が薦める本をその棚に並べて販売する。
販売手数料も取るようだ。ビジネスモデルの形態としては棚貸しだから、あまり変わらない。
が、見た目は本屋に見える(笑)

雑貨の棚貸しビジネスの対象顧客は「クリエイター」とそのファンだ。
しかし、この本屋モデルは少し違う。棚を借りるのは一般の本好きであり、買う人も一般の本好きである。
つまり、そこにいわゆる「プロ」はいない。

発展していくとそこから独立者が出るか?

しかし、発展していくと、そこから独立者がでるかもしれない。
つまり、人気のある棚を作った個人、またはその連帯が自信を深めて、自分の好きなカテゴリの小さな本屋を持つということである。
これはこれで楽しい。

そこにコミュニティも生まれるだろう。

同じモデルでも違う業態をさらに作れる

この可能性は十分にある。ビジネスモデルは同じでも、そのターゲット客が変わったり、取扱商品が変わったりすることで、違う業態を作れるだろう。
以前から、私は文具で類似の業態を作りたいと思っている。

つまり、棚を零細メーカーに貸して(月額定額)、ショールームを作るのである。
このショールームでは、問屋や小売店の来訪も積極的に受け付けて、商品を見てもらう一方、商品を一般消費者にも販売する。
ビジネスモデルは棚貸しだが、対象顧客はメーカーと流通業者+一般消費者というわけである。

できるだろうか。

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