やはりきた、代位弁済の波
ゼロゼロ融資の返済が始まる頃、政府の指示で信用保証協会は借換制度を作ったが、遅かったようだ。
2022年度、代位弁済515億円
東京都の信用保証協会が代位弁済したのが、この515億円(59%増)らしい。件数も4,194件(54%増)。
明らかにコロナ後に元に戻れなかった、またはコロナ後が待ちきれずに万歳した企業が多いということを示している。
原材料費の高騰も影響か
コロナに加えて、ウクライナ戦争による原材料費の高騰も追い打ちを掛けたのだろう。
コスト増を価格に転嫁せず(できず)、結果、キャッシュが足りなくなる循環になったか。
倒産も増えている
倒産も13%程度増えているとのこと。コロナ対応のゼロゼロ融資で一息ついた企業も体質がそのままなら、単に息を少し長くしただけで、残念ながら倒れてしまったのだろう。
これから先、さらに増えるのではないかと思ったりするのは私だけではないはずだ。
診断士を派遣しているが、、、
診断士を保証協会が関与先の中小企業に派遣しているが、次の点で課題がある。
- 派遣される側の中小企業に変化しようとする気概がない
- 派遣される中小企業診断士の質と量が足りない
- 賃金引き上げの機運の中、派遣費用は据え置き
- 長い期間の伴走支援はなかなかできない
などである。派遣される側が「無料だから」と安易に受け入れ、同時に自分が変わらなくても最後は保証協会が助けてくれると思い込んでいる節がある(もちろん、すべての中小企業ではないし、むしろ、変化しようとしている企業も多い)。
派遣される中小企業診断士にも課題がある。ベテランの診断士は派遣フィーが合わないので手を出さないケースもある。結果、あまり経験が無い診断士が派遣されることになったりして、企業側のマイナス姿勢と相まって効果が出ないことがある。
これはどちらに問題があるということではない。どちらにも問題がある。
まとめ
批判ばかりしておまえはどうかという指摘は甘んじて承りたい。私も各種のこうした派遣制度でいろいろな中小企業に派遣される。無駄に20年も経験しているので、金融機関との話や保証協会との関係、販売促進の手法やインターネットの活用など情報と知識はある程度持っている。
しかし、「他人を変える」ことは本当に難しく、ほとんどできないと言って良い。その本人が変わらなければと考えない限り、変わらないものである。何かきっかけを作れればといつも考えているが、そんな超人的なスキルを私は持っていない。
一方で、どこかできっかけを得て、変わろうとしている経営者の背中を押すことは少しだけかもしれないができそうだ。これまでの経験と知識を提供して、一緒に進んでいくことでは少しはサポートできそうだ。
« ごく個人的にTwitter社に考えて欲しいこと | トップページ | 新事業】テナントに依存する百貨店モデルの限界と新業態 »
「中小企業経営」カテゴリの記事
- セイフティネット4号認定の延長(2023.09.30)
- 代位弁済、増えているらしい(2023.08.14)
最近のコメント