新事業・多角化】タクシー会社がキクラゲを栽培して販売する
日経MJに掲載されていた記事。埼玉のタクシー会社がキクラゲを栽培して販売する事業に頑張っている。
この新事業・多角化のポイント
- 値段ではなく、品質で代替
- 小さなテスト
- 社会課題と絡める
値段ではなく、品質で代替する
記事によると、キクラゲの多くは乾燥ものを中国などから輸入している。間違いなく、安いはずである。ちなみに、私が家で食べているキクラゲは生活協同組合(妻がはまっている)からのもので、国産である。
栽培経験のないタクシー会社の人たちが作るのだから、値段がこの中国製品より安くなるとは考えにくい。しかし、国内の自然な環境下で作れば、間違いなく安全性は担保されるだろう。品質で代替できないかと考えたのは、私は正しいと思う。
小さなテストをしたこと
新事業・多角化のとき、「需要予測」や「市場調査」をするケースがある。これは大企業でよくやられることだと思う。が、中小企業の場合、そうしたことをしているよりも小さなテストをさっさとやって、小さな市場があるかどうかを確認した方が早い。
このキクラゲを作っているタクシー会社さんは、家庭用栽培キットを買って育て、フリマサイトで1パック出品したところ売れたらしい。こういうテストが大事だと思う。
この後、どのくらいの規模のものかはわからないがビニールハウスを建てて栽培したらしい。会社の直売コーナーで販売したらSNSで広まって売れたということのようだ。正直、ここはちょっとやり過ぎだったかもしれない(^^ )。万一、売れなかったらビニールハウスの投資は無駄になるから。
社会問題と絡めたところは秀逸
フリマサイトで1パックが売れ、ビニールハウスに投資した後、さらにプレハブを建てたらしい。ビニールハウスとプレハブ、どっちが安いのだろうか。中古のプレハブの方が安いようにも思うが、どうだろう。ビニールハウスの方が安いか。
いずれにしても、ビニールハウスは効率が悪かったらしく、プレハブでさらに拡大したようだ。
だが、プレハブを建てる場所も限られるだろう。わざわざ土地を借りて、そこにプレハブを置き、、、、とやっていたらきりがないかもしれない。そこに「空き家」の話が出てくる。
勝手な予想だが、土地を借りるために不動産屋で相談した際、空き家の話が出たのではないか。それが社会問題になっているなら、いっそ、それも一緒に解決しようというのが発端ではないだろうか。
壁や床などを改装するのにもお金がかかるだろうが、「空き家問題を解決しているキクラゲ」という触れ込みで、味も良いとなれば、ストーリー性が出て売れるだろう。
まとめ:小さなテストは大事
新事業・多角化のとき、小さなテストはとても大切だろう。
市場があるかないか、わからない状態で進出するリスクを少しでも軽減できるのは非常に安心でもある。
試作品を作って、小さく売ってみて、それにスパイス(社会問題解決など)を加える方法は参考になる。
新事業・多角化のとき、こういうやり方をして欲しいと思うのである。
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