百貨店の復活は、どういう方向性か。
インバウンド需要で大きく伸長した百貨店の業績がコロナで叩き潰された。
その後、コロナの影響が弱まる中で、中国以外のインバウンド需要は少しずつ戻ってきている。
しかし、それだけに頼っていれば、百貨店の先行きは暗いことは誰もが知っているのではないだろうか。
一体、どんな方向性があるのだろうか。
若年層にも来てもらえる店作り
いろいろな方向性が考えられるだろうが、まずは客層をなんとかしなければいけないのではないですか。
百貨店の顧客というと、60代以上のイメージが強いし、実際、店頭を見ても化粧品売り場以外では年齢層が高い顧客ばかり拝見します。
若い世代は少ないのは事実だろうと思います。
これを変えて、この先、10年、20年を見据えて顧客を育てる必要性を考えると、今、若年層に来てもらっておかなければならないでしょう。
以前、新聞で松屋銀座さんがムーミンショップを開いたというのを見ました。まさに、若年層を狙ったものだろうと思えました。
私の浅はかな考えでは「百貨店=信頼された商品が置かれた店」なので、若年層も選択できる価格の信頼された商品が置かれることを望みます。
デジタル化でサービス力を向上
上記の松屋銀座さんでは社長が代わるようですが、その創業家の血筋の社長が「DX」をひとつの戦略に掲げているようです。
確かに百貨店での買い物では、まだまだ「少々お待ちください」と言われて、支払いを待たされたり、在庫の調査に時間がかかったりします。
以前、伊勢丹新宿で婦人物の靴をICタグで管理するような実験が行われていましたが、あれはどうなったんでしょうかね。
ああいうのをどんどん進めて、最先端の小売店を目指すのが百貨店の役割のような気もしますけど、システム投資にはこれまであまり積極的ではなかったのかもしれないですね。
私の浅はかな考えでは「百貨店=流行だけでなく、小売業としての先端を行く店」なので、DXをどんどん進めて欲しいですね。
地元企業とのコラボレーション
日経MJに掲載されていた岡山の百貨店では、地元企業とのコラボレーションが進んでいるそうです。
地方の集積地では百貨店は集客の強力磁石になっていないといけないでしょうから、地元企業とのコラボレーションは良い選択ではないでしょうか。
都内や大阪、名古屋などにある百貨店とは違って、岡山とか仙台とか札幌とか、そういう都市部の百貨店は地元密着の方が良さそうです。
私の浅はかな考えでは「(地方の)百貨店=地元を代表する優良企業」なので、地元企業と一緒に成長して欲しいです。
殿様営業の変革
私が直接、そういう営業を受けたわけではありませんが、百貨店での「三方良し」の精神はだいぶ失われているように思います。
POP-UPストアを店内でやらせてもらうのにもかなりの手数料がとられますので、小さなメーカーはとてもPOP-UPを続けられません。
その掛け率の強気に、「殿様営業」を感じます。
百貨店の大本は、「三方良し」ではなかったのでしょうか。
仕入先については少々、扱いが悪い気がするのは私の気のせいかもしれませんが。
私の浅はかな考えでは「百貨店=商売人としての矜持を見せる店」なので、殿様営業的な影はなくしてほしいと希望します。
テナント頼みの不動産事業からの脱却
最後は、「不動産」のような仕事の仕方を辞めることです。
テナントが入っていれば、自社は安心、という百貨店のモデルはもう成り立たないのではないかと思うのです。
不動産体質ではこれから先、先はないのでは?
テナントが「ぜひ、あの百貨店に入りたい!」と思うようなモデルができあがれば、それはまた違うでしょう。
が、今の「家賃を取って、売上にも手数料を取る」というモデルを続けている限りは先が見えていないでしょうか。
私の浅はかな考えでは「百貨店=不動産事業者ではない」なので、ぜひ、小売店としての矜持を見せて欲しいです。
と、自由気ままなことを書いてきました。
百貨店が仕入先、そしてこれまでの既存客、さらに若年層を取り込んだ新しい客で活性化できることを願ってやみません。
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