緊急性が高いことが明示的なときは、締め切りを設けないという戦術
ハーバードビジネスレビューの2022年12月号から。マッコーリー・ビジネススクール教授のマロシュ・セルバートカ氏の研究によるもの。
締め切り設定によるアンケート回答率の違い
- 締め切り日が1ヶ月後:5.5%
- 締め切り日が1週間後:6.6%
- 締め切り無し:8.3%
とのこと。締め切り無しでは、3日以内に回答した人が他の2つのグループよりも多かったとのこと。
概念的には締め切りがあった方が良いような気もする
締め切りがあることで追われるというのは普通の考え方のようにも思う。が、逆に「締め切りがない」ことによって、「できるだけ早く終わらせろ」というメッセージになるケースもあるとのこと。確かにそうかもしれない。
が、それは私が思うに「緊急性の高さが共有されている」時だろう。
この研究者も「締め切りがないことをいつやっても構わないと解釈する人も必ずいる(意訳)」ことは間違いないとしている。
期限があることと、ないこと
期限があると、その期限の長短で「緊急性」を個々人が判断することになる。結果、先延ばしする人はどんどん後回しにする。ここは、個人の特性にも依存しそうである。締め切りを守らない人さえいそうである。
結果、期限がないことは、「緊急性を判断できないのですぐやろう」となるか、「緊急性はないのでいつでもいい(結果、やらない可能性もある)」ということにつながりそうである。リスクが高い。
いずれにしてもリスクはある
ということはいずれにしてもリスクはあるということになる。ケースバイケースという結論では面白くない(^^ )
この調査結果でわかることは、「締め切りがない」、つまり「いつでも良いよ」と明示するのではなく、「わざと締め切りを伝えない」ことで、相手に危機感を持たせ、「すぐやった方が良いだろう」という方向に持っていくということだろう。
私が考えるに、緊急性が高いということが明示的、または共有されているときはこの戦術は有効だが、それが共有されていないときは全く無効になるということだ。
この研究者も「この研究結果はけっして締め切りを設けない方が良いと言うことではない」と明確に述べている。
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