人件費が高騰して、赤字になったという企業発表に対する反応
先日、ある上場企業が「人件費の高騰で赤字に陥った」という説明を記者会見でしたそうである。特に、問題を感じない記者会見のように思うのだが、こういうものにも引っかかる人はいらっしゃる。
どういうことかというと、「これまで人件費を抑えてきたから利益が出ていたんではないか。赤字に陥ったことを被害者面して言うな」というツッコミである。このツッコミをした人がその企業の何を知っているのか知らないけれど、一概にそうは言えないのではないかとも思う。
なぜなら、
その企業が不当に、または法律を守らずに残業代を払わないとか、法定労働時間を守っていないとかそういうことなら、それはまずい。それで利益を出しているなら、そもそもそのやり方が間違っている。これは利益が出る出ないの話ではない。違法である。
一方、もし、そうした不当な人件費未払いなどがないとすれば、実際に現在は人件費は上がってきている。これ自体を一企業が変えることはなかなか難しいだろう。できるとすれば、人件費が高騰している以上に売上を増やし、利益を確保することだろう。または、人件費が高騰した分、他の経費を削る努力をするなどして利益を確保することだろう。
しかし、売上を増やすことはそう容易ではない。デフレに慣れきった消費者は低価格を望んでいるケースが多く、人件費高騰による「値上げ」には同意しないこともある。それによって企業は値上げを避け、結果として売上は維持され、コストだけ-人件費だけ-が増えることになる。となれば、利益はなくなるだろう。
「人件費が高騰している」→「どうせ元々、安い賃金でこき使っているのだろう」(という思い込み)→「赤字になって当然だ」→「被害者面するな」というロジックだろうか。
「人件費が高騰している」→「売上を上げる努力ができなかった/他のコストを削減できなかった」→「赤字になった」→「値上げを容認してもらえないか」というロジックはだめだろうか。
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