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2016/03/04

書籍の取次-いわゆる問屋-は非常に厳しい状況が続いている。問屋の商機はどこにあるのか。

書籍の取次といえば、日販やトーハン。
この2大巨頭がほぼ市場を独占している状況でしょうね。
一部、特殊な書籍類を除くとまさに寡占市場です。

新聞などで取次が倒産する話を見て、あらためて問屋を考えたいです。

今回、自主廃業をきめたのは太洋社という書籍取次だそうです。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0908/26/news015.html
↑によると、書籍取次業界では第5位。とはいえ、規模はトップの10分の1。

3位の大阪屋は、楽天や講談社からの出資を受けて、4位の栗田を取り込んで規模の経済を狙っている様子。
卸売りだけでは厳しい状況がわかります。

文具系の問屋はグループ化を図ることで、再編して今は落ち着いているようです。
しかし、デジタル化が進行すれば文具も影響を少なからず今後も受けていくでしょうから、状況としては似た感じです。

問屋の機能は、流通としてのクッション。資金的、仕入の量、取引の管理など、クッションがあることによってメーカー(本の場合は出版社)と小売に効率性と安心を与えることが重要ですね。
ところが、今は違う。

メーカーは少量出荷に対応して-物流網の発達によるもの-、結果として小売側は資金的、仕入の量などを調整できるようになったし、取引の管理もIT化が進むことによって特に問題が発生しない。
小規模な小売店は問屋がいることで便利な面もあるものの、大手の問屋はそうした小さな店では売上が作れない市場状況から、相手にしてくれない傾向も見られたりします。

結果、問屋は売上を作るために大きな小売に擦り寄ろうとしますが、大きな企業は戦略的に今後、さらにメーカーに近づき、大手メーカーは大手の小売と直結していく傾向が強まっていくでしょう。ITの力をさらに借りて。
つまり、今の問屋は、市場が消えようとしているところに存在意義-売上-を作ろうとしているのですから、必衰です。

インターネットを使えば、いろいろな情報が手に取るようにわかる時代。
とはいえ、小さな小売店にはそういう時間もない可能性がある。
そこに商機はありませんか?問屋さん。

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