クラウド版パッケージソフトのコスト感覚
Google Docsなどの登場で、ブラウザを通して、クラウド環境下で使えるようになってきた各種オフィスパッケージ。Adobeなどの製品にも広がって、いまやMicrosoftも。
では、実際、こうしたパッケージソフトは、クラウドで借りた方がコスト的に安いのか?
Microsoftで考えてみよう。比較のため、Microsoftのオフィスプロフェッショナルを例にあげよう。
Microsoftオフィスプロフェッショナルは、ワード、エクセルだけでなく、アクセスまで含むライトユーザーには少しハードルが高いパッケージだ。だが、パソコンにパッケージをインストールした状態を同じ環境と考えて比較する時、クラウドであるOffice365では、E3と呼ばれるクラスを導入する必要がある。このクラスでは、オフィスはプロフェッショナルバージョンなのである。
それ以下のクラスでは、ウェブベースでのオフィスとなるので、ソフトとしては機能に差があり、完全な比較とはいいにくい。このため、オフィスプロフェッショナルでの比較となるので、ご了解いただきたい。
なお、パーソナルバージョンで十分であり、かつウェブベースでの編集では困るという方は、パッケージの購入しか選択肢がないと考えた方が良い。
さて、Microsoftオフィスプロフェッショナルを市場で購入すると、一体いくらだろうか。価格比較サイトで見てみた。
http://s.coneco.net/speclist/1903010/
これを見ると、通常版が平均価格で、55,000円(2012年4月末)ほどである。アップグレード優待版だと、36,000円(同時期)となっている。もちろん、これらの価格は参考だし、大手量販店などのポイントなどは反映されていないから、ご自身の場合に直接あたるかはわからない。
一方、Microsoftのサブスクリプションライセンスはどうだろうか。サブスクリプションライセンスとは、契約している間だけ、ソフトウェアを使えるライセンス形態である。さきほど、申し上げたとおり、デスクトップにインストールした状態を考える時、サブスクリプションライセンスではプロフェッショナルを選択することになる。その場合、E2というクラスになる。Microsoftのウェブサイトによると、E2は月額2,120円。
http://www.microsoft.com/ja-jp/office365/compare-plans.aspx#fbid=JbV1OKBLIjo
通常版との比較だと、
55,000円÷2,120円=25.9ヶ月
アップグレード優待版だと、
36,000円÷2,120円=17ヶ月
となる。
相手にならない。明らかに私の感覚では、クラウド版が高い。私はアップグレード優待版を購入できる立場にあるが、サブスクリプションだと、一年半強で高くつくことになるからだ。
サブスクリプションの良いところは、最新バージョンをいつでも使えることだと言うが、たったの一年半でバージョンアップしたことが、Microsoftオフィスにあったか?ないと思う。そう考えるとまったく話にならない。
仮に優待版が買えず、通常版だとしても二年半もたたないうちに逆転する。こちらも短すぎる。
もし、クラウド環境下で使うことによる他のメリットを探し出せなければ、これは話にならない。
何かないか。1ユーザーが5台のデバイスにインストールできるらしい。たとえば、デスクトップパソコンとノートを持っていて同時に起動することがなければ、二台分買う必要はない。でも、一人なら、まあ、三台がせいぜいか。
また、電子メールをずっと保存できるらしい。が、これも無料のサービスでも十分だ。
どうも、私にとってはMicrosoftオフィスのクラウドはパッケージより高いという結論になりそうだ。
今度、Adobeでも比較してみよう。ただし、Adobeの場合、まず、スキルとして使えるのかという問題がある(^_^;)
« マネージャーのいない会社 | トップページ | 能動的な監視 »
「パソコン・インターネット」カテゴリの記事
- Copilotでもやってみた(2024.11.11)
- メールを配信するプログラム(2024.10.31)
「製品・サービス」カテゴリの記事
- 甲州ワインの単価アップ(2024.10.05)
- リテールテックは、中小、小規模事業者も変えるか(2022.05.05)
- 小田急電鉄の小学生50円の衝撃と効果(2022.01.05)
- スターバックスの返却するカップは定着するか(2021.12.25)
- バルミューダ社のスマートフォン(2021.12.15)
コメント