情報システムの寿命は長い
日本情報システムユーザー協会の調査結果が日経産業新聞に掲載されていた。それを読んで感じたことを書きたい。
ざっくり言うと、情報システムの平均試用期間が10年未満になってきているという調査結果である。90%以上が10年以下で情報システムを更新するだろうと答えているそうである。記事では、白物家電になぞらえて、家電並みになってきたと書いている。
さらに、DVDプレイヤーやデジカメになぞらえて、もっと短くなっているものもあるぞとまとめている。
で、10年は短いのだろうか。皆さんはどう思うだろうか。私は表題のとおり、まだまだ長いと感じている。情報業界では、3ヶ月を1年と同じとする「ドッグイヤー」なる言葉があるが、10年だと40年ということである。いやはや長い。だから、短くするべきだという議論をここで展開するつもりはない。
特に中小企業では、そう簡単にやすやすと導入したシステムを捨てるわけには行かない。一念発起して導入する例もあるだろう。中にはガラクタと化してしまうものもあるだろうが、それを除けば、きちんと長く使っていって欲しいと思う。システムベンダーからすれば、ちょっと困るということもあるかもしれないが。
そう考えると、情報システム企業に課される負担は大きくなる。技術的に、設計的に長年にわたり、問題のないようなシステムを作らなければならないからである。これをクリアする方法はまだ見つかっていないと思う。ひとつ、今のスタイルの中で、何とかいけそうな気がするのは、小規模パッケージのバージョンアップを繰り返す方法である。ただ、これは中小企業の定型業務、一般的な業務に限ったことだろう。
競争力を維持、向上するための情報システムを独自開発した場合には、どうしても今後も寿命の問題は付いてくる。そうなると、情報システムの寿命がある程度長いことを考慮して、または、逆に定期的、短期的に更新していくことを考慮して資金計画やシステムの更新計画を作らなければならないことになる。
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