SOX法対応のために非上場化?
@ITのコラム(既になくなっているかも、その場合にはバックナンバーを)に、「日本版SOX法回避で非上場」に現実味という記事があった。全くそういう企業がないとはいえない状況なのではないかと思う。
以前も同じようなことがあった。まあ、非上場ということではないが、環境問題が大きな話題(今でもそうだが)になったときである。「環境対策をするとコストがかかる」ということで、企業は環境対策に及び腰で、あまり積極的に動かなかった時代である。実際、私が勤めていた企業もやってはいるものの、大きな一歩ということではなく、周囲がやっていることへの追随的な感じであった。まあ、それはおいておいて。。。
人間、誰もそうであるが、「どかん!」という投資や出金には戸惑うし、躊躇もするものである。SOX法対応をするためには、情報システムへの投資が過大になるのではないかという迷いもあるだろうし、実際、そんなに小さな投資ではないように思う。
おまけに、内部統制であるから、人間への負荷もかかるのは間違いない。運用も複雑になる可能性もある。企業によってはISO9000どころではないだろう。こうなると、「だったら、止めるか」ということになるのもなんとなく気持ちはわかる。
で、上場を廃止したとしよう。それで何がよくなるのだろうか。ただ、SOX法から逃げられただけということではないか。もちろん、再上場を目指すのであれば、SOX法から一時的に逃れただけなんだということも言えるかもしれない。でも時間を稼いだだけで、逆にその時間によって企業としての競争力が失われるリスクも考えておかなければならないのではないだろうか。
時は金なりというが、今は金よりも時の方が価値が高くなっているのではないかと思ったりするのは私だけだろうか。
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こんにちは!oratakiです。
J-soxの意義を自社の状況に照らして十分に検討することが必要ですね。回避策としての非上場というのは逆に信用を失うばかりではないでしょうか。逆に非上場であろうと対応を検討している企業も多くありますしね。
投稿: orataki | 2006/08/06 06:41
## oratakiさん いつも感謝です。要は気持ちの問題ということでしょうかねぇ。
投稿: kaits | 2006/08/07 06:20