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2006/06/11

要求定義にフォーマルメソッドは使えるか。

久しぶりに要求定義の話をしようと思う。フォーマルメソッドとは、“要件仕様”(要求仕様ではない)を正確に作るための手法である。「洗練規則」「検証技術」という要素もあり、プログラムでいうリファクタリングやテストが要件仕様策定段階で出来るようなのである。

では、このフォーマルメソッド、私がお客様としている中小企業で活用できそうかと考えると、なかなか難しい。理由はいくつかある。

最大の理由は、難しすぎるのである。この記述方法をHTMLやDTDが理解できないユーザーに押し付けたところで、混乱度が増すだけと考えられるのである。私も完全に理解しているわけではないので、その前提でこの文章を読んでいただければ幸いなのであるが、フォーマルメソッドは、プログラムに使うような演算子を使って表現するのである。やり方のレベルによっては、プログラムの詳細仕様書を書くようなものである。厳しい。要求定義を行うアナリストと実際にプログラムを設計するSEとの間のコミュニケーションには使えそうだが、ユーザーとのやりとりに活用するのはかなり難しいのではないかという印象を持っている。

二つめの理由は、このフォーマルメソッドを使う意味合いが弱いのである。要求定義に曖昧さが残ってはいけないというのは、私もそう思っている。しかしながら、フォーマルメソッドを使えば、それが実現されるということが理解しづらいのである。他の方法でも出来るのではないかとも考えてしまう。よって、なぜフォーマルメソッドなのかという問いかけに、私は明快な答えを探せないでいる。

そして、三つめの理由は、デファクトになっていないことである。実は、ずいぶん前からこのフォーマルメソッドのことは小耳に挟んでいるが、いまだ、大きな流れになっていないように思うのである。これは、鶏が先か、卵が先かの議論になってしまうので、意味がないといわれれば、それまでであるが、やはり一定の量の人間、プロジェクト、システムに適用されたものがないと、不安である。特に私の場合、2つの疑問を持っている上でのこの三つめの疑問であるから、なおさらである。

ただ、最後に、ひとつだけ申し上げておきたいのは、こうしたメソッドがたくさん出てくることは歓迎したいということである。選択肢が増えるからである。その時に応じた最適なものを選び、要求定義ができるのであれば、それはとても喜ばしい。このフォーマルメソッドも私が考えているような領域以外で使えるのかもしれない。だから完全否定は出来ないと思っている。また機会があったら思い出してみたい。

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