OSSさらに普及するか
これまで、OSS(オープンソースソフトウェア)というとLinuxやApacheのような一種基盤的なソフトウェアが中心だった。OS(オペレーティングシステム)やミドルウェアと呼ばれるようなもの、開発ツールに属するものなどユーザーからは遠い存在のものが主だったと思う。
IPAではこうしたOSSの普及を一層加速させるための組織を設立したようだが、今後、このOSSという考え方が業界により普及していくためには、一種、“外圧”が必要に思う。
つまり、ユーザーの視点、ユーザーの要求である。そのためには、ユーザー側の意識も変わっていかなければならない。ユーザーがOSSのメリットを享受できるだけのスキルと情報を持たなければならないわけだ。そういった意味からすると、いわゆるソフトウェアメーカーは微妙な立場である。
なぜなら、OSSが普及することは自身の首を絞めるが、一方で、そこに活路を見出せる可能性もある。戦略をどう立てるかによって、武器にもなりそしてかつ自信を傷つけるものにもなるという、いわば両刃である。
最近、といってももう3~4年経つが、ユーザー側からの視点としてアプリケーションソフトウェア(業務に使うような業務ソフトウェアと言った方がいいだろう)をOSS化してパッケージングし、同業他社同士がお金を出し合い、共同開発をするというような事例も出てきている。(例:OSCARアライアンス)
こういった業界が出てくると、ソフトウェア業界としてもチャンスを見出せる。もちろん、一方でその業界に漫然と根ざしていたソフトウェア関連企業はピンチに立たされるわけだが、ぜひゆで蛙にならないように気をつけて欲しい。
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これまでよりも一般ユーザに近いOSSとして、FireFoxという一つの成功例も出ましたしね。…とゆーか、果たしてこれが成功なのかどうか、他にどんな可能性があるのかを、真剣に考えるべき時が来ているということなのかも。
投稿: ユージ小川 | 2006/01/06 15:46
## ユージさん FireFoxはいまやOSなどと同じようなプラットフォーム化していくのではないかと感じています。その意味だとちょっとアプリケーションチックではない感じです。
しかし、おっしゃるとおり、OSSというものがどういう効果を示すのか、真剣に考え直す時期には来ていると思います。
投稿: kaits | 2006/01/07 08:57